クラウドソーシングではてなブックマークを募集している人たちは何がやりたいのか?

クラウドソーシングを用いて「はてなブックマーク」を依頼した案件のページが、皮肉なことにはてなブックマークを大量獲得し、炎上していました。

【利用規約違反】 はてなブックマークをご利用の方。ブックマークをお願い致します。の依頼/外注/仕事 | クラウドソーシング「ランサーズ」

477はてぶ、すごいですね。

このような仕事依頼はもちろん、ランサーズの方でもはてなサービスの方でも規約違反となります。では、依頼者はお金を払ってまで「はてブ」を獲得して、何がしたかったのでしょうか?

 ソーシャルサービスで人気を獲得する、というSEO対策

今に始まった話ではありませんが、TwitterでのリツイートやFacebookのイイネ!などのソーシャルサービスと同じように、はてなブックマーク集めもSEO対策に有効であるとされています。

特に近年では、Google検索アルゴリズムの仕様変更(パンダ・ペンギン・ハチドリ)によって、従来のSEO外部対策(被リンク集め)の効果が薄まっています。

そこで、検索エンジンがサイト評価の新たな指標として取り入れていることが予想され得るソーシャルサービスでの人気獲得が、SEOの新たなる課題となってきているのです。

本来、ソーシャルユーザーから人気を得るためには、閲覧者の役に立つ『質の高い』コンテンツ作りをする必要があります。しかし、そんなことは面倒くさいので、最近では国内外の他サイトの人気記事のリライトや、国内外の人気画像・動画を転載しただけのWEBメディアが増えてきているのです。

ネットユーザーの9割以上は、情報の一次ソースを確認しようとしませんから人気コンテンツをリライト・転載しただけのパクリWEBメディアでもTwitterやはてブではふつうに拡散されてしまうのです。例えばこの9割以上、というデータにはソースがありません。

ここで言えるのは、このような正当でないSEO対策を行う人たちは、ネットユーザーを舐めているということです。それは低レベルなバラエティ番組を制作するテレビ局が視聴者を舐めているのと同じように。

さて、そろそろ本題に入りましょう。以下では、クラウドソーシングではてなブックマークを依頼する、という行為の意味について考えてみます。

1.はてブ依頼はアフィリエイトサイト運営者にしかできない

はてブ依頼を公衆の面前に触れるクラウドソーシングで募集することは、はっきり言ってかなりのリスクを伴います。今回のように炎上騒ぎとなってしまえば、当該サイトの信頼性が著しく毀損されるからです。

もしも企業サイトやブランドを売りとするWEBメディア、あるいはネットショップなどで「はてブステマ」が発覚してしまえば、取り返しのつかない損害が発生してしまいます。ですから、ふつうのWEBサイト運営者であれば、こんなハイリスクな案件をクラウドソーシングでは募集しないのです。

しかし、アフィリエイトサイト運営者にとっては、リスクは日常茶飯事です。ブラックSEOと呼ばれるアンフェアなSEO対策をしているアフィリエイト事業者であれば、運営サイトの10や20がペナルティ判定を受けて検索圏外に飛ばされることなどよくあることです。はてブ依頼は、ブラックハットSEOを行っているアフィリエイト事業者でなければ、とても取れないリスクなのです。

※2014/05/24追記

はい、このように仮説を立てたのですが、誤りでした。どうしてもランサーズはアフィリエイト関連の案件が多いので、そういうバイアスがかかっていたのかもしれません。

「はてブのまとめ」をされている方の調査によると、個人サイトから株式会社公式サイト、そしてネットショップからメルマガまで、かなり幅広くはてブの依頼はあるようです。

株式会社やネットショップのはてブ依頼などは、SEO事業者が代行でやっている可能性もあり、そうなると彼らはむしろブラックハットSEOの被害者といえるのかもしれません。

ある意味、費用対効果を重視するアフィリエイターの方がこういう「はてブを買う」のような愚行は冒さないのかもしれませんね。この辺り、完全に私のリサーチ不足でした。とりあえず以下では、はてブ用途をアフィリエイトに限定して考えてみようと思います。(追記終わり)

2.なぜ「はてブ」を自演せずに、わざわざ他者に依頼しようと考えたのか?

ここで疑問に思うのが、なぜわざわざ他者にはてブ依頼をする必要があったのか、ということです。規約違反だとは思いますが、はてなサービス自体はメールアドレスさえあれば大量にアカウントを作成することができます。

ブラックハットSEO事業者は、無料ブログ運営のために大量のYahooメール・Gmailメールアドレスを所有しています。また、スパム回避のためにサーバーもたくさん持っています。ですから、はてなブックマークのアカウントを大量取得して、自作自演ではてブをすることなど造作もなかったはずです。

別に自演しなくとも、法人であれば社員に、個人であれば同業者にはてブを頼めば良かったはずです。

単にはてブからの被リンクが欲しかったのであれば、そのようなやり方で十分だったでしょう。しかし、SEOにおいて被リンクの効果が薄まっているというのは前述のとおりです。ゆえに、依頼者は「更にその先」を目指していたということになります。

3.自然なはてブに見せかけることのメリット

上述の自演はてブや、同業者依頼のはてブでは、ひとつ厄介なことがあります。それは他者から見た時に「明らかに不自然なはてブ」となってしまうことです。

依頼者は恐らくこれを何としても避けたかったのでしょう。

はてなブックマークのユーザーの中には「不自然な自演・ステマはてブを監視する」ということを使命とする自治グループのようなものがあるとかないとかいう話です。

実際のところ、WEB上のステルス・マーケティングはどんどん発覚してきていますし、ステマは意外とバレやすいものです。

自演はてブでは、はてブしたアカウントの属性を調べられるとそれがバレてしまうので、依頼者は何とか自然な形ではてブを集めたかったのでしょう。

それが自然なはてブであると認識されれば、当該記事がホッテントリ入りしたあとに(一般ユーザーによって)感染爆発的にはてブ&Twitterで拡散され、Googleから見た時に飛躍的に当該サイトの価値が上がるのです。

いわゆるBuzzSEOですが、もちろん検索上位に上げるためには、はてブでのポジティブな拡散が非常に有効に働きます。

依頼者が「すでに15以上(他のサイトを)はてブしている人限定」で募集をかけていたのであれば、それは自然なはてブに見せたかったからに他なりません。

依頼者が真に目指していたのは、ソーシャルメディア(はてブ・Twitter)でのBuzzなのです。

4.本当にアフィリエイト記事がBuzzるのか?

でもここで新たに疑問が浮かびます。

もしもはてブ依頼をした当該記事がアフィリエイト記事であると明白だった場合、誰もそれを拡散しようとは思わないのでは、ということです。

その通りです。

しかし実際にはてなブックマークを見てみると『WEBクリエイターに役立つn個の○○』みたいなタイトルで、記事内リンクがアフィリエイトリンクなホッテントリもけっこう見かけます。

さておき、Googleの検索順位を上げるためには、そのサイトの価値が高まりさえすれば良いので、必ずしも個別アフィリエイト記事が人気化する必要がないという事実もあります。

例えば、記事数100ページのサイトを作るとして、そのうち90ページがアフィリエイト記事、残り10ページがソーシャルでの拡散を狙ったコンテンツ記事にするとします。全体サイトのうちの10%コンテンツ記事が、Twitterで拡散されるなりはてブされるなりして人気化すれば、サイト全体の価値が高まります。

だから同じサイトの、他の個別記事であるアフィリエイトページも検索上位に出しやすくなるのです。

アフィリエイトページが目立たないようなトップページレイアウトにしておけば、訪問ユーザーから不審がられることはないでしょう。

あくまで憶測でしかありませんが、今回のクラウドソーシングでの依頼者が本当にやりたかったことは、コンテンツ記事を自然な感じでBuzzらせて、アフィリエイトサイト全体の価値を上げることではなかったのではないかと思われます。

とはいえ、クラウドソーシングで募集をかけてしまったがために、かえってはてブユーザーの注目を集めてしまい、この試みは失敗に終わりました。今回はブラックハットSEOをする事業者を批判的に書きましたが、それはあくまでこのようなSEOが規約違反&アンフェアであるからです。

アフィリエイト自体を否定するつもりはまったく無いので、そこは誤解無きようお願いします。

では今日はこの辺で。ノシ

SEO
当記事の執筆者
オロロン

ときまき!支援サポーター。Webライター兼Webデザイナー。人生の合言葉は「書いて描いて書きまくる!」

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